先輩たちの活躍 VOL.09

自分だけではない、誰かの目線で、街の魅力を。

情報メディア学科

久保田 空さん(愛知県 新城有教館高等学校出身)

自分だけではない、誰かの目線で、街の魅力を。

 

テレビのロケ番組などを見ていると、カメラクルーや音声・照明スタッフなど10人くらいの人が大きな機材を担いでぞろぞろ歩いているところが“見切れて”(映ってしまう)いることがある。あれを見て、ああ、映像制作って大変な仕事なんだ、と思う人は多いだろう。でも今は違う。普通の一眼レフカメラや、なんならスマホでも、十分に高解像度の映像が撮れてしまう時代だ。大切なのは機材を担ぐことではなく、なにを撮るか、どう撮るか、それをどうつないで、どう伝えるか。問われているのは、コンテンツづくりの全体を貫くセンスとロジックだ。

 

久保田さんのチームがテーマに選んだのは「蒲郡市の写真映えスポット」。映像制作プロジェクトは、AUTの授業であるとともに、蒲郡市の「若者支援協働モデル事業」の一環でもある。そこで求められているのは、いわゆる「若者目線」ということだろう。

「もちろん僕たちは若者ですから、普通にブラブラして、気持ちのおもむくままに撮影すれば、それが“若者目線”になる。そう考えて、とにかく歩きはじめました」でも、それだけなら、たんなる写真集だ。そこへ行く途中の、気持ちの盛り上がりが大切なのではないか。そう気づいて、「映えスポット」に行くまでの道中の自分の目線の動きを動画に撮った。そして、スポットに到着した瞬間にシャッター音をSE(効果音)に入れて静止画を挿入する。映像を見ている人は、自然にそのスポットに誘われるわけだ。


「でも、まだなにか足りない。若者目線って、若者の自己満足じゃないの? そんな思いがふつふつと…」。ある日、スポットの一つとして想定していた蒲郡市の竹島水族館に行った。そこには、若者や家族連れなどいろんな世代の人がいた。この水槽は子どもの目の高さからだとこういうふうに見えるな。それを後ろから見守る大人の立ち位置はここだな。いろんな気づきがあった。「映像は、いろんな人の目線を代表することができる。その可能性を発見して、さらにこの分野が好きになりました」
完成した作品には、それぞれの“目線”を反映させたチームメンバーが、わざと“見切れて”いる。もちろん、誰も大袈裟な撮影機材は担いではいない。